Future No.111

スタジオの前桜の木も、開花寸前!可愛いつぼみがふくらんでいます。いよいよ春ですね。
さて、先日老人ホーム「ベル」慰問にご参加くださいました皆様、おつかれさまでした。
「ベル」に伺うのは2000年に初めて訪れてから、今回で10回目になります。そもそも教室で慰問を始めたきっかけは、私自身の祖母の「私はいつ死んでもいいのよ」という1言からでした。病気がちで身体の弱かった祖母ですが、明治・大正・昭和・平成と時代を生きぬき、4人の子供を育てました。そして90歳を過ぎても夫婦仲良く暮していたのですが、祖父が先だった後1人で施設に入った祖母が言ったその一言が悲しくて、何か私に出来ることはないかという思いで始めたのです。祖母のもとは二度ほど訪ねましたが、「ふるさと」や「あかとんぼ」を涙を流しながら嬉しそうに歌っていた姿が今でも忘れられません。そしてその時<祖母がいて、母がいて、そして私がいる・・その命がわたしの子供へとつながっているのだ>という、あたり前のことがとても心強くそしてしっかりと私を支えてくれている気がしてそれまで感じたことのない感動をおぼえました。<私は私のやるべきことをしっかりやって、子供に伝えていかなくてはいけない>と思いました。今も「ベル」に伺うたびにその時の気持ちを思い出します。私は慰問に出発する前、スタジオでお子さんに以下の事についてお話しします。
<人は生まれて立って歩いたり、背が伸びていくのと同じように、年をとって死んでいく>
<年をとるという事は具体的にどういうことか>
<どうして年をとるのか>
<若い私たちはそれをどう受け止め、何をしたら良いか>
最初は<死>という必ず来る現実についてショックを受ける子供達も、話していくうちにそれが自然なことと受け止めていきます。そして特に何度も参加している子はもう何も言わなくても、お年寄りとどう接したら良いかをわかってくれるようになりました。今回はエメラルド・サファイアクラスのバレエ3曲、ルビークラスの台詞と歌を1曲、そして歌を3曲歌いました。1日のリハーサルで創ったので、簡単なものでしたがお年寄りの皆さまは「かわいいね~~」と涙ながらに喜んでくださいました。演じる子供達のお顔もキラキラ輝いていました。自分の存在を心から喜んで頂けるということは、どんなほめ言葉よりお子さんに自信と喜びを与えてくれます。後日職員の方からも、活気ある子供達のパワーにより、利用者の皆さまの普段とはちがった表情を見ることができて嬉しいですと、メールを頂きました。ご参加・ご協力くださいました保護者の皆さん、またお子さんが参加されていないにもかかわらず、快くお手伝いを申し出てくださいました皆様、本当にありがとうございました。今回残念ながらご参加頂けなかった方も、今後機会がありましたら是非ご参加頂き、一緒に楽しく感動的なひと時を過ごしましょう。

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